昆虫大学2014in横浜 レポその4

休憩をはさんで、ライトニングトークも後半へ。

(5)福富宏和さん(石川県ふれあい昆虫館 )による「虫を採る理由 -タマムシを中心に-」

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1回目の昆虫大学で、オオゴマダラの生体展示を行っていた福富さん。(今年は2日目に開催)
トーク前はお話をする機会を逸しておりマジメそうなタイトルだな~と思っていました。

1枚目のプレゼンシートも
「昆虫採集は良いことばかり」
・知力・体力・時の運を知る。
・死に触れることができる。
・本物を見抜く力が養われる。
・計画性を持った行動ができる→賢い子が育つ


という内容で、ほうほうと感心していたのですが…ここから時空がゆがみます!

大好きなタマムシの写真を並べて「かわいい!」「かっこいい!」という我が子自慢!
かっこいい虫を表すkakkoiidae(カッコイイデ)という学名をつけるべき!と力説!

さらには、ナガタマムシ属の標本の隣に「美少女ゲームの制服美少女」の絵を並べて
「つぶらな瞳」と「細い体型」という点において、ナガタマムシ属の種と制服美少女の種には「共有派生形質が存在する!」と主張!

このプレゼン画像はtwitterで拡散し、「なにを言ってるんだ」というコメントとともに600RT以上されておりました。(笑)

その後も、ずらっと並べたタマムシ標本のスライドを見せて
「かわいいでしょう?」と言った瞬間、タマムシがAKB48の顔写真に変わり

「かわいいものを並べると、もっとかわいい!」

と断言された日には、すっかり腹筋と脳が破壊されました。。。
ある意味、この日最強のプレゼンターだったと思います。

福富さん共著の「日本産タマムシ大図鑑」

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現在までに知られる日本産タマムシ全種全亜種を網羅している図鑑です。欲しい。。。

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(6)丸山宗利さん(九州大学)による「アリの巣の百鬼夜行」
ありの巣に住む珍奇な甲虫:ヒゲブトオサムシとハネカクシの話し

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好蟻性生物の研究をされている丸山先生は、1回目の昆虫大学で、アリの巣の生き物たちのパネル展示とトークをしており、最近出版された新書「昆虫はすごい」が大ヒット中の気鋭の分類学者です。
今回の展示では、カタゾウムシの展示と、マメコ商会さんの店番をされてましたが、プレゼンが始まると眼鏡をキラリと光らせ

「…虫屋というのは頭がオカシイところがあって、珍しいものほどカッコよく見える」
という言葉からトークが始まりました。

畳みかけるように
「タマムシはフツーにきれいなミーハー虫」
というまさかの福富さんdisに発展!!(驚)

「もっとカッコよい虫は…」と言って紹介したのは
ヒゲブトオサムシ&好蟻性ハネカクシ!
どちらもアリの巣に同居する珍虫です。

ヒゲブトオサムシの写真を指差しながら
「どうですか、この一体になった触角の形…」みたいなフェチトークをする丸山先生。
楽しそうな話をしている人の話は、聞いている人も楽しくなリますね〜

最後は、自身が好蟻性生物を採集している写真と共に
「…深夜、特定のアリの行列を眺めていると見たこともない珍奇なハネカクシが現れることがある。その様子はまるで百鬼夜行」

という渋い締めくくりでございました。
というか福富さんと仲良過ぎ。プレゼン待ち中もずっとじゃれあってました(笑)

著書の「昆虫はすごい」は売れ行きもすごいですよ!

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(7)とよさきかんじによる
「僕とダンゴムの7年間戦争」

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さて、いよいよ私の番です。
ちなみに、人前でプレゼンするのは学生以来なんですよね…(震え声)

前半は、絵本のあらすじ紹介から始まり、後半は絵本ができるまでの歴史についてお話しました。
7年前に作った第一世代のダンゴム。

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新潟県の里山科学館「森の学校 キョロロ」での土壌生物展でのポスター。

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一度ダンゴムを辞めた後に
絵本の編集者から連絡が来て復活したことなど
ダンゴムが絵本になるまでの7年間の歴史をプレゼンしました。

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ハイライトは、小学4年生の時に発表した自由研究「ぞうき林の生き物」

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しかし半年間で約100種類の虫を捕まえてはスケッチした昆虫少年の日々から一転…
私のろくでなしブルース写真。。。(中2)

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そして再びフィールドに戻って来たきっかけが、一回目の昆虫大学だったことや、虫嫌いの人にこそダンゴムの絵本を届けたい、という浅イイ話に持っていってプレゼンは終了。。。

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今回のスライド制作は、自分が「本当は何を伝えたいのか」を探る自問自答の旅だったのですが、結局のところ一番大きなテーマは「自分が虫の世界に帰ってきた」というカミングアウトだったのかしれません。

もちろん名だたる研究者の中で、そんな素人っぽいことを言うのはどーかと思ったのですが…
不思議とプレゼン後は、共壇者の方も展示してる方も、びっくりするくらいフレンドリーに接してくれるようになりました。

真っ裸になって愛を伝えれば(比喩)何かは伝わるものだなあ…と感じずにはいられませんでした。あとヤンキーネタは同世代に鉄板でウケますね。

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(8)荒木健太郎さん(気象庁)による
「蟲が切り拓く局地豪雨予測」

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ニコニコ超会議出演などでも有名な、新進気鋭の気象学者・荒木さんの発表は予測の難しい豪雨(ゲリラ豪雨)をどうやって予測するか、というお話。

豪雨が起こる時には、必ず上昇気流ができるので
ユスリカなどの虫を監視することで、上昇気流を可視化することができる。(なるほど!)

いわゆる虫の生態や魅力という話ではなく、虫を気象の研究に利用しようという、また新しい切り口のプレゼンに再び夜学っぽい雰囲気が戻ってきました(笑)

プレゼン後に、荒木さんの著書「雲の中では何が起こっているのか」を購入したのですが、難しい専門用語や数式が、かわいいゆるキャラに置き換えられている(!)気象学の入門書でした。
雲の成り立ちや、竜巻を起こすスーパーセルの正体など、近年身近で起こる気象災害を理解しやすいようにまとめられており、雲の研究というものがどうやって行われているか、その研究がどう役に立つかが良くわかります。そして荒木さんがいかに雲マニア&渦マニアかがわかります(笑)

さっそく、こないだ行ったフィールドでは空を見上げて、あれは巻積雲? それとも高積雲かな? と知ったかぶりで雲の分類をしてみました。

「雲の中では何が起こっているのか」

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全員のプレゼンが終わった後は、物販+交流会という流れ。

私も、何冊か絵本を買って頂きました!
私のプレゼンの中で
「虫嫌いが増えている気がするのはなぜか?」という
独白をした部分があったのですが、絵本を買って頂いた若いお客さんが
「虫を好きにならなくても、せめて嫌いにならないで欲しい」
とぽつりとおっしゃっていたのに、はげしく同意する一幕もありました。

その後は集合写真撮影、校歌斉唱。
作詞は いそはえとりさん。作曲は森翔太さん。

 
「昆虫大学校歌」

(1番)
 幼き頃は 虫まみれ
 大人の今も 虫まみれ
 訝る視線 背(せな)に受け
 今日も進むは 虫の道
 学舎(まなびや)持たぬ 流浪の学徒
 ああ 我ら 昆虫大学

(2番)
 灯りにたかる 蛾の如く
 集う我らの 多様性
 芸術家から 博士まで
 誇りも高き 少数派
 茨の道も 虫あればこそ
 ああ 我ら 昆虫大学

(3番)
 好奇心こそ 生きる糧
 思考はいつも 斜め上
 虫への愛を 突き詰めて
 この人生に 悔いはなし
 イナゴはおやつ 蚕はペット
 ああ 我ら 昆虫大学



虫好きのマイノリティさと誇りがにじみ出る、すばらしい歌ですね…(涙)

…という感じでなごやかな雰囲気の中、昆虫大学一日目がようやく終了!!

その後は近所のお店で一次打ち上げ。

キラ星の研究者さん達と卓を囲んで、同世代の丸山先生、福富さんとはヤンキー話をし、知久さんにはツノゼミのいる場所を丁寧に教えてもらい、本当に時が止まればいいのに…と思うくらい幸せな時間を楽しませて頂きました。

幸せ過ぎて、上着をどこかに置き忘れたことに気づいたのは最寄り駅についてからでした。

2日目の様子はレポ5にて!!

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by toyosaki_kanji | 2014-11-11 00:35 | 虫イベント


虫絵本作家・とよさき かんじによる虫ブログです。初心者なので虫にまつわるすべてが新鮮です!


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PROFILE

とよさき かんじ

2014年7月に世界初の土壌生物絵本「くるりん!ダンゴム」を出版し、ダンゴムシキャラのダンゴムを広めようとしています。本業はおもちゃのデザイナーです。
長い間、虫好きを封印していましたが、TG-3を携えてフィールドに戻ってきました。間違ってる虫がいたらご指摘お願いいたします。

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